付き合っていた彼女に貸した5万円

 私がお金を貸したのは、今から10年位前で25歳のときです。貸した相手は、そのとき付き合っていた1つ年下の彼女でした。彼女は私と同じくフリーターをしており、バイト先で知り合って付き合うようになったのですが、フリーターをしているだけあってお互いが金欠でした。

 デートはなるべくお金のかからないところにいき、食事などもファミレスがせいぜいで、あまり豪華なことはできませんでした。それでも、彼女といられることが私には幸せでしたし、彼女もそうなんだろうと思っていました。
しかしある日、そんな私の考えが見事に粉砕される日がやってきました。

 彼女が「どうしても家賃が払えないから5万円貸して欲しい」と言ってきました。そのときの私は少ない給料の中から1ヵ月1万円貯金をしており、10万円ちょっと貯まっていたのでその中から5万円を貸しました。困っている彼女を助けないわけにはいかないですし、後悔はありませんでした。

 しかし、それからしばらくすると、彼女の携帯はつながらなくなり、アパートへ行ってももぬけの殻でした。私は「やられた」と思いました。ただ、貯金から貸していたお金なので生活に痛手はなく、彼女が去っていった虚無感だけが残りました。ですので、お金を貸して返ってこなかったことよりも、彼女が去っていったほうが辛かったです。